どんどん悪くなり続けることはないと思います。
■景気は循環する
経済は循環します。つまり、好景気と不景気が交互に来ます。恐慌と言われるパニック的な急激な不景気状態への突入でない限り、不景気は少し遅れて認識されます(例えば、2四半期連続でGDPがマイナス成長した等。これは、統計データをまとめてから分かるので、不景気と判断されるのは、後日になります。)
GDPの成長率などから、不景気と判断された(実は数ヶ月前に不景気に入っていた)のはつい最近です。いったん不景気になると、急激に回復するとは考えにくいので、しばらく続くでしょう。ただ、しばらくが数ヶ月なのか、数年なのかは、これからの対策や政策などで変わると思います。
■日本の今後について
日本についてですが、日本は昨今の金融混乱では比較的傷が浅いほうです。また、景気後退の影響は、自動車が北米で売れなくなったり、エレクトロニクス製品がヨーロッパで売れなくなったり(しかも円高になったので、海外での売り上げを円に替えると、以前より少なくなってしまう)、という外需中心の経済で動いてきたからだと思います。
でも、内需はある程度あるし(人間、生活するため、食品を買ったり、医療を受けたり、電気を使ったり、電話を掛けたりしますよね?)、円高も原料輸入の点では安く原料を手に入れられるのでメリットです。
また、北米で車が売れなくなったとしても、北米は車社会です。車はある程度使えば磨耗したり、故障したりします。しかし、公共交通機関が発達していない北米では欠かせないモノです。もし、新しい車を買おうと思った場合、どんな車を買うでしょうか? 不景気や原油高を経験した北米の消費者は、燃費がよくて故障しにくい小型車を買おうとします。この手の車は、日本車の得意分野です。なので、買い替え需要がある限り、日本車の小型車はある程度売れると思います(残念なことに、小型車は利益率が低いのですが)。
同様のことが、ハイテク製品、特に充電池や太陽電池などの代替エネルギー関連製品でもいえます。これらの製品は、日本企業が強いです。原油枯渇などが心配されるので、これらの製品の需要は世界中で高まると思います。
一言で言えば、少し落ち着けば、日本製品は世界中で再び売れるようになるので、遅かれ早かれ、輸出企業を中心に日本経済は復活すると思います。
■質問者さまにお勧めすること
以下は蛇足ですが、僭越ながら二言、三言申し上げます。
まずは、経済的な合理性のある節約をすることをお勧めします。例えば、光熱費を抑えるために、節水や節電など。生活の質を極端に下げるくらいにするのは無理ですが、水や電気の無駄遣いをしないよう心がけることは、環境にもよいので、是非お勧めします。一方、合理的でない節約はしないほうがよいと思います。例えば、食べるものも食べないで済ますなど。食費は確かに浮くかもしれませんが、極端な場合、栄養失調や虚弱体質になって病気になりやすくなるかもしれません。そうなると、医療費がかさみます。長期的にみて合理的でないので、そのような節約は控えたほうが無難です。
あとは、貯蓄をしっかり行うことです。年金など不安なこともあると思いますが、貯蓄がしっかりできていれば心配は減ります。また、借金があるなら、利息が無駄なので、積極的に返済することをお勧めします。
最後に、貯蓄する分の一部を投資に回すことも考えたほうがいいかもしれません。今、不景気に入ってまだ序盤あたりだと思います。この辺は、市場は疑心暗鬼になって、株式などは極端に売り込まれている可能性が高いです。裏を言えば、優良銘柄が、その会社の価値に比べて割安になっている。そのような銘柄を今のうちに買っておくと、後で値上がりする可能性があります。特に、日本株は世界中のヘッジファンドなどからの売りが多くて値下がりしすぎている感があります(日本株は流動性も高く売りやすいので、手元現金を確保したいヘッジファンドが投げ売りしています)。どの会社がいいとかはここでは申しませんが、ある程度大型企業で業績がよい会社の株を買うのも手だと思います。
まあ、あまり心配しないで。