最低賃金を上げることは、中小企業いじめだと思います。そんなことをすれば、大企業は雇用を海外に移してしまうだけで、それができない小資本だけが海外との競争の中で淘汰されていくことでしょう。
所得税を下げて法人税を上げるのも現実離れした政策だと思います。そんなことをすれば、企業は税金の安い国に利益を移し替えて、日本国に納税しなくなるだけでしょう。所得税の累進を強化するのも、(高所得者が)日本の金融資産を海外のファンドに移し替えることを促進するだけじゃないでしょうか。
経済活動がグローバル化している現状では、「日本人だから」という理由だけで中国人よりも豊かな生活を保障されているという考え方自体に無理があると思います。中国人よりも高い所得を得られるだけの工夫がなければ、同じ日本人でも貧しい生活を強いられるのはやむを得ないと思います。都市住民と地方在住者の格差というより、国境を越えた能力競争が発生しているのだと思います。
だから、景気対策といっても限られてくると思います。農家への所得補償などバラマキによる現物給付は一時的には有効だと思いますが、この財政状態では長続きさせられるはずがありません。そうなると長期的に見れば農家にとっては逆効果で、本来ならば淘汰されて農地の集約が進むべきなのが、保護により小規模兼業農家が温存されてしまい、最終的に農産品の自由化を強いられた時点で日本農業崩壊ということになりかねません。
子育て支援もバラマキ政策の1つだとは思いますが、これは有効かもしれません。ただし、「金利水準が上昇し日本の財政が破綻しなければ」という条件付きですが。同じバラマキ政策でも、道路などの公共事業は効果が一時的なものにとどまると思います。土建屋さんたち(そこで働く日雇い労働者も)を生き永らえさせる効果は期待できるかもしれませんが、新しい道路や施設ができても、それを生かす経済活動が期待しづらい状況だからです。(そこまで考えた道路建設ができるのなら、効果的な景気対策になると思うのですが)
本来ならば、規制緩和をして民間主導の経済活動を活発化させることで景気回復を図るのが本筋でしょうが、先にも述べたとおり、経済のグローバル化が進み、国境を越えた能力競争が激化している現状では、規制緩和をすれば中国人(に限らない。他の途上国の人も含め)との能力競争に勝てる日本人だけが豊かな生活を維持でき、創意工夫により新たな付加価値を生み出すことができない一般的な日本人は、生活水準を徐々に切り下げざるをえない立場に追い込まれると思います。(現状、既にそういう痛みがあらわれてきている)