中国ではインフレ対策で貸し渋りが中小企業を直撃をしているようです
===補足===
一つはいわゆる「4000ドルの壁」
2つ目は
銀行の貸し渋りである。2008年秋の金融危機以降、ハイパーインフレを警戒する中国政府は、銀行の準備預金率を13回も引き上げ、いまは史上最高の21・5%である。また預金年利と貸出年利も5回引き上げ、それぞれ3・5%、6・56%である。こうした極度の金融引き締め策により、銀行の貸し渋りが深刻化しているのだ
温州の「中小企業の危機」と中国最大のネットショップの「中小企業排除」
http://gendai.ismedia.jp/articles/print/23023
中国:インフレ対策で貸し渋りが中小企業を直撃-灰色融資、急拡大
中国浙江省の温州市でディーゼル発電機の生産やホテル経営などを手掛ける東信集団の王崇煥会長は、典型的な起業家だ。懸命に働き、実践を重んじ、あらゆる機会を捉えるのに余念なく、逆境を跳ね除けてきた。
その王会長が、中国の中小企業が今直面している信用状況について話すと、それほど楽観的に聞こえない。「30年仕事しているが、こんな高金利は見たことがない。借金したら自殺するようなものだ」と言う。
中央政府が企業による投機阻止やインフレ抑制の措置を講じたことで、温州市の中小企業は信用収縮の直撃を受けていると、ブルームバーグ・ビジネスウィーク(8月15日号)は伝える。広東省など輸出が産業の中心となる中国南部の各省や揚子江デルタ地域にある町の中小企業も苦しめられている。賃金上昇や原材料コスト高騰、人民元高ですでに苦境に陥っているところへの追い討ちだ。
温州市の中小企業団体トップ、周徳文氏は、「ますます状況が悪化している」と語る。JPモルガン・チェースの中国担当グローバル市場部門会長、李晶氏は9日、「貸し渋りに苦しむ中小企業が増えている」と指摘した。
周氏の推測によれば、中国では1000万社以上の中小企業の約2割が、稼働率が半分程度で破綻のリスクに直面している。こうした企業の大半は従業員数が300人に満たない。「政府が中小企業支援と与信状況を改善させる新たな政策を打ち出さなければ、この割合は来年の春節(旧正月)までに倍の4割となる」との予想だ。
年利300%
中国人民銀行(中央銀行)は昨年10月以降、5回の利上げと9回の預金準備率引き上げを実施した。クレディ・スイス・グループのチーフ地域エコノミスト(香港在勤)、陶冬氏は、大手の国有企業に対し銀行各行はまだ融資を続けているものの、「中小企業向けは完全に断ち切られた。中小企業に十分な流動性が全くないのが現状だ」と述べる。
北京にある中央財経大学のチエンチュン・リ教授は、銀行の貸し渋りが、地方の商業組合や質屋、正式な営業許可を持たない地下銀行などによる融資の灰色市場の拡大を促していると指摘する。
同教授によれば、こうした非公式な貸し出しセクターにおける融資の規模は2009年には6兆6000億元(約79兆円)だったが、今年6月までに推定10兆元に膨らんだ。正式な銀行融資残高の約2割に相当するという。
陶氏の試算では、非公式なセクターから短期融資を今借り入れると、最高で月6%の金利となる。9カ月前は1.8%にすぎなかった。リ教授によれば、温州市のような地域では、年利が最高300%にも達するという。中国の公式の1年物貸出基準金利は6.56%。
北京大学のマイケル・ペティス教授は、「雇用コストも資本コストも上がっている。中小企業は2つの前線で苦しめられている」と話す。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920021&sid=aNTZmVc29Z2k
中国、中小倒産が頻発 危うい「世界の工場」 欧米の低迷直撃、資金不足も深刻
「世界の工場」と称される中国で、製造業に従事する中小企業の倒産が相次いでいる。欧米の景気低迷を受け、南部で深刻化した企業の危機は他地域にも拡大。資金不足、人民元高、人材難といったさまざまな重荷が企業に重くのしかかっている。
◆珠江デルタで1000社
中小企業の倒産危機が早くから顕在化したのは中国南部。輸出企業が密集する珠江デルタ地域を中心に、金融危機で萎縮した欧米市場の悪影響が大きく出た。当局は企業の倒産ラッシュを否定しているために公式発表のデータはないが、「珠江デルタ地域だけで倒産企業は1000社単位に上る」との報道がある。
香港紙の香港経済日報(電子版)によると、輸出を主力とするデニム製品工場約2000社がひしめく広東省仏山市では100社超の企業がすでに閉鎖。「玩具の町」として知られる同省東莞市石排鎮では小規模工場の6割が操業停止の状態という。
政府系シンクタンクである同省広州市社会科学院の劉江華・副院長は、企業倒産危機の要因として、(1)欧米景気低迷による輸出減少(2)人民元高に伴う競争力低下(3)物価や人件費の上昇による生産コスト増(4)銀行の融資抑制による資金不足-を指摘。「珠江デルタ地域が直面している圧力は、2008年に起きた(米国発の)金融危機を上回る」と懸念を示す。
こうした中小企業の倒産危機は、すでに南部に限られた状況ではない。中国紙の経済参考報(電子版)は、上海など長江デルタ地域や東北地域にも危機が蔓延(まんえん)していると報じた。同紙によると、東北部の吉林省では数十万社の民営の中小企業が倒産の瀬戸際にあるという。
深刻になりつつあるのが、企業の資金不足だ。インフレ対策に向けた当局の銀行融資抑制により、多くの中小企業が資金繰り難に陥っている。経済参考報が報じた吉林省の例では、省内の中小企業が必要とする資金1000億元(約1兆2070億円)に対し、銀行融資などで調達可能な資金は440億元のみで、560億元が不足しているという。
銀行融資を得られない中小企業は、民間のノンバンクを頼らざるを得ない。しかし、利益率10%未満が大半の中小企業にとって、高利の民間金融は“もろ刃の剣”になりかねない。
香港経済日報によると、長江デルタ地域では高利貸の返済不能に陥った企業経営者が失踪する事件が9月末以降、20件以上発生している。最近では浙江省温州市で眼鏡メーカー経営者が借金を苦に自殺した。
◆年内に生死の分岐点
経営環境の先行きは依然と不透明だ。中国物流購入連合会(CFLP)が9月1日に発表した8月の製造業購買担当者景気指数(PMI)では、新規の輸出受注指数が約2年半ぶりに景気の拡大・縮小の境目の50を割り込み、多くの中小製造企業が手掛ける輸出業の低迷持続を示唆する内容だった。
業界関係者の間からは「年末に(企業の)生死を分ける“分岐点”が訪れる」(広東中小企業発展促進会の謝泓書記長)との声も聞かれる。「世界の工場」を支えてきた中国の中小企業は、早くも厳しい冬を迎えつつあるようだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111009-00000013-fsi-bus_all
銀行が絶対に「貸し渋り」できない中国政府の智慧=温州経済対策を読む―浙江省
http://kinbricksnow.com/archives/51746109.html