そう、あなたと私はテキ同士だった。
レジスタンスにいた私はたった一度、戦争の中、あなたに視線をとらわれた。
はっ、と思った瞬間、敵兵が目の前に現れ、私は命を失った。
なんというか、気をとられてしまったのでしょうね。・・・でも、もし気を抜いていなかったら?
いや、あの戦争は激しさを極め、前線はほぼ全滅であったと思われる。
であれば、私だけが生き残ることなどあるわけもない。
あれは、いわば捨て身の攻撃。私は捨石だったのですからね・・・。
っと、独り言が過ぎましたね。でもあなたは私を覚えていないでしょう。
テキ、といってもあなたは私に気づいてはいなかったでしょうから。しかし、私だけが気づいた。
なぜ、あの時私はあなたにとらわれてしまったのか。
いまでもわからないところですが、ここで回答するのがその答えなのかもしれないですね。
かた思いというやつなのでしょう。それが私とあなたの関係。
ラジオのように一方通行なのでしょう。