ホラーじゃない、恐い映画を。
「未知への飛行」-シドニー・ルメット監督
米ソ冷戦の時代、両国が相手の核兵器を過剰に警戒する中、
アメリカ空軍司令部のシステムに故障が生じ、誤った攻撃命令がソ連を監視していた核爆撃機に下された。
攻撃中止の命令を出そうにも、ソ連がアメリカを警戒して発した妨害電波に阻まれてしまう。
それぞれの、相手国への疑心暗鬼が事態を悪化させていく中、ついに…。
映画の原題は「FAIL SAFE」。
攻撃中止命令の受け入れ可能ポイントの事で、爆撃機がこれを越えた時点で、
たとえ大統領直々の中止命令であっても、攻撃は実行されてしまいます。
これも、ソ連が大統領の声を真似て命令を流すのではないか、というアメリカの恐れが生んだもので、
とにかく、両国の愚かしいまでの猜疑心により、取り返しのつかない結果へと突き進む事になります。
白黒作品で、音楽も一切無いのですが、それが、よりいっそうの緊張感を生み出していて、
最期の、アメリカ大統領が下した決断には、本当に、背筋が寒くなります。
ちなみに、この作品は、俳優のジョージ・クルーニーによって、テレビドラマとしてリメイクされています。