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特許出願書は著作物ですか。
そうであれば、発明協会は公報を発行して販売しているので著作権違反となる。
著作物でないいなら、その理由を教えてください

  • 質問者:特許出願人
  • 質問日時:2009-02-01 12:06:37
  • 0

回答してくれたみんなへのお礼

有難うございました。

・著作物かどうか

(著作権法)
第2条第1項 
著作物 思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。

→特許出願書は、思想を創作的に表現したものであって、学術の範囲に属するので、法上の著作物といえると思います。

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・著作物である公報を発明協会が発行して販売しているのは著作権法違反か

(著作権法)
(権利の目的とならない著作物)
第13条  次の各号のいずれかに該当する著作物は、この章の規定による権利の目的となることができない。
二  国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人(独立行政法人通則法 (平成十一年法律第百三号)第二条第一項 に規定する独立行政法人をいう。以下同じ。)又は地方独立行政法人(地方独立行政法人法 (平成十五年法律第百十八号)第二条第一項 に規定する地方独立行政法人をいう。以下同じ。)が発する告示、訓令、通達その他これらに類するもの

四  前三号に掲げるものの翻訳物及び編集物で、国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が作成するもの

→公報の発行は、特許庁(独立行政法人の工業所有権情報・研修館がオンライン公開を行ってたっけ?)が行っているので、著作権法の権利の保護対象にならないと読めます。

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結論として、このケースは違法ではないと私は思いますが、形式上著作権侵害だと考える学者もいるようです。

はっきりさせたいなら、あなたが出願人で無断で発明協会に載せられたら、発明協会を著作権違反で提訴すれば、裁判所で判断してくれるでしょうね。

===補足===
他の回答者さんの回答で気になった部分があるので、補足します。

・他人の出願文を使うと著作権侵害となる

他の人が出した明細書(クレーム含む)を、引用の必然性もなく、出展も明かさず、主従の関係を満たさず(平たくいうと、他人の明細書が主になっていたりした場合)、というような引用の要件を満たしていないなら、著作権侵害の可能性があります。しかし、たいていの特許明細書は、先行文献として、特許出願番号を明示したり、論文の出所を明示したりしているので、著作権侵害になっていないと思います

・公知を発明協会がしてくれるので良い

これは、ちょっと質問者の意図を捕らえていないように思います。公知にすること(特許法により、出願から1年6月後に公開される)と、社団法人である発明協会が公開公報を採録して販売していることが著作権違反とならないか、が質問者の意図ですよね。公知は、発明協会が販売しなくても、特許法により公開されるので、自動的に公知になります。発明協会は、公知となった明細書を取りまとめて売っているだけです。つまり、公知のために必要な法人ではありません。

しかし、その著作物は権利が及ばない著作物だとされているので(著13条)、著作権侵害ではないのでは、というのが私の意見です。

ちょっと関係ないですが、社団法人が、著作権法第13条の公共団体や独立行政法人に該当するかどうかですが、http://www.soumu.go.jp/gyoukan/kanri/pdf/satei2_01_03.pdfを見ると、発明協会は独立行政法人としてリストされていません。なので、13条の対象外だと思います。つまり、著作権の及ばない明細書を採録して販売している発明協会は、著作権侵害をしていませんが、その採録した販売物(発明協会の出版物)に、なんらかの著作性(例えば、分野別で整理したり、明細書に簡単に飛ぶことができるリンクの仕組みを提供していたり)が認められれば、その発明協会の出版物自体に著作権が生じます。しかも、13条の適用対象外の団体なので、権利が及びます。

一言で言えば、著作権フリーのものを題材にしたにも関わらず、著作性を加えれば、新たに権利行使可能な著作権が生じるということ。

  • 回答者:回答者 (質問から25分後)
  • 2
この回答の満足度
  
とても参考になり、非常に満足しました。回答ありがとうございました。

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著作物との考え方も一理ありですが、
新しい特許/対抗特許とか、色々と出す場合を考えると、以前に提出されている、他の特許文を引用する場合が多く有ります。
まずは、自分の出願が公知の事実ではない事を知らしめて、その上で、新しい発明である事を言わなければなりません。
その時に、公知の事実に誰か先に提案した人のものを使う事は不可能となり、特許の説明そのものが非常に難しくなる事は、これだけでも判ってもらえると思います。
他人の出願文を使うと、それだけで、著作権侵害となり、特許制度そのものが成り立ちません。
また、一般公開とされることで、特許権が認められるので、著作権って言うと、じゃ自分で公知して下さいとなります。
先願権だけを確保のために、一旦提出し、受理の後に取り下げを行う事で、公知とはせずに、先に発明したと言う事実を残して、他人に特許権を行使される事を防止するようなケースもありますが、基本的には、公知して特許性があると認められ、反論が無い場合にのみ特許権が認められる制度です。
公知を全て自分ですれば良いでしょうが、代わりに発明協会がしてくれるって事と理解してもらえれば良いのでは?
貴方の言うように、著作権侵害って事になると、全て自分で公開の作業が必要となります。
公報がある事で、自分の提案が特許となるかも調べられ、無駄な労力/お金もずいぶんと減らす事が出来る、良いシステムだと思います。

===補足===
私の回答は、自分の出願例で記載させてもらったので、法律論とは違った事になったかもです。
ただし、現実に特許出願の人は、私の考えている程度の知識までだと思っています!

  • 回答者:とむ (質問から2時間後)
  • 1
この回答の満足度
  
とても参考になり、非常に満足しました。回答ありがとうございました。

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