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小学五年生です。
酢でなすの汁の色が変わりました。
スイカの汁は赤と透明に分離しました。
どうしてですか?
教えてください。

  • 質問者:あかり
  • 質問日時:2010-08-16 16:06:21
  • 0

色として見えているのは、植物の細胞に含まれている「色素(しきそ)」と呼ばれているものです。
 植物の色素として有名なものには、緑色のもとになっている 葉緑素 や、ナスの紫色を作っているアントシアンと呼ばれる色素の仲間、にんじんのカロチノイドと呼ばれる黄色からオレンジ色の色素の仲間、トマトやスイカの赤色のもとになっているリコピンと呼ばれる色素の仲間など、いくつもあります。
 ここで使った「仲間」を「系(けい)」という言い方で使います。例えばアントシアン系、というように。この言い方を覚えてください。

 このような植物の色素の仲間は、みんな植物の細胞(体を作っている小さなつぶつぶ)に入っていますが、あなたがやったように絞ったり、水に浸して色を出したとき、その色の出方は二通りあります。

ナスの紫色は、水によく溶け込みます。
ところが、スイカの赤は、ナスと同じように見えたと思いますが、実は違います。

 ナスの紫色は、水に溶けやすい性質を持ったアントシアン系色素で、色素そのものが
水に溶けて出ています。

 一方で、スイカの赤は、水に溶けにくいリコピン系色素とカロチノイド系色素の混ざったものです。そして、絞り汁の中では、それらの色素はまとまっていて粒のようになっています。つまり、水に混ざっているだけで、水に溶けていないのです。この、溶けていないというのが大事なところです。

さてここからがあなたの疑問に対する答えです。

 アントシアン系色素は、水が酸性になると赤、中性で紫、アルカリ性で青紫というように色が変わる性質を持っています。そして、水に溶けやすい色素であるため、酢のように水に溶けていて酸性になる相手とすぐに反応してしまうので色が変わるのです。

 ところが、スイカの色素は水に溶けずに散らばって水の中を動いているだけですので、酢を入れても水と混じらないために酢と反応しないのです。言い方を変えると、水に溶けにくい色素は、かたまりになっていて、まわりにラップを巻いてあるようなものだと考えてください。酢があっても、ラップがじゃまをして反応しないのです。
 また、リコピン系やカロチノイド系自体もアントシアン系のように大きく色が変わらない安定した色素であることも、色変化が少ない原因です。

 スイカの汁に酢を入れたら、透明部分と赤い部分に分かれたとおっしゃっていますが、それは、反応しなかった色素を含む部分と、酢と水が混ざった透明の部分に分かれているのでしょう。 ところで、酢を入れなくても、時間が経つとスイカ汁は透明部分と色の付いた部分に分かれると思うのですが、いかがですか? その別れ方は、色を含むかたまりと水の比重の違いで起こるはずです。

 今回はふれていませんが、緑色の色素(葉緑素、クロロフィル)も、酢を入れただけでは色変化しにくいものです。葉緑素も、水に溶けにくく、しかもしっかりした袋に入ったようになっているので、あまり変化しないのです。

 話は横道にそれますが、お母さんが料理するところを見せてもらってください。
 ナスの色は、料理しているとどんどん変わることがあります。煮ると色がしるにぬけていったりしますが、油で炒めたときには、ナスの紫は出ていきません。きれいな青紫のままです。ところが、酒などを入れると一気に色が抜けてしまいます。これも、水の仲間である酒に、色が溶け出てしまったからです。油で炒めても色が抜けにくいのは、アントシアン系色素が油に溶けにくいからです。炒め続けると、ナスから水が出て、その水に色が溶けてしまうので、色がきれいでなくなります。だから、ナスの炒め物は、さっと調理しないとダメなのです。
 ところが、緑の葉っぱや、トマトの赤は、料理していても色が変わらないとわかるはずです。これが、色素の安定性という性質です。汁に色がどんどん出ていくこともありません。いっぽうで、油で炒めていると、緑色、赤色、黄色は油に少し出ていって、油に色がついていきます。 これは、アントシアン系が水に溶けやすいというのと逆に、これらの色素は油には溶け出す性質があるからです。

  • 回答者:おせっかい爺 (質問から20時間後)
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この回答の満足度
  
とても参考になり、非常に満足しました。回答ありがとうございました。
お礼コメント

ありがとうございます。
いろいろなことがよくわかりました。
すいかはもう一度、汁をしぼっておいてみます。
お母さんに料理も見せてもらいます。

並び替え:

スイカはわかりませんが
ナスは化学反応で赤になったと思います。

リトマス紙と同じように
青のリトマス紙は酸性だと赤になります。

この回答の満足度
  
お礼コメント

ありがとうございます。
化学反応というのがまだよくわからないので、もう少し、調べてみます。
がんばります。

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