電話対応の部署にいた経験があります。
結論から申しあげますと、
「とりあえず謝罪」は、半分正しく、半分間違いだと思います。
例えば、私の場合は製造メーカーにいましたが、
製品苦情に対しては、内容がわからないうちに、
あるいは製品に問題がないのに
「申し訳ありません」「すみません」
と回答してはいけないといわれていました。
自分たちが悪いことをしていない事に対して
謝る必要はありませんし、
必要がないところで謝ることで、謝られた相手が、
やっぱり企業の責任だった、と思いこんでしまい、
製品不良ではない筈なのに
そういう騒動につながってしまうからです。
そういう意味では、何でもとりあえず謝るような業界は迷惑だ、
と陰でいろんな業界の人達が言っているのを耳にします。
製品に、あるいは会社に落ち度がなくても、
「他の会社では謝ってくれたのに、
お詫び品を送ってきたのに、
おたくの会社は謝らないの?!
何か弁償しなさいよ!」
というような困った人が増えるからです。
一方で、
「ご心配をおかけしております」
あるいは、
「貴重なご意見ありがとうございます」
と、相手の心情に対しての謝罪(?)はしていました。
わざわざ電話をかけてこられるのですから、
何かいいたいこと、不満がある、
その心情に対して、謝る…というか、
一旦、その感情を受け止めるのです。
公務員だと、
「ご心配をおかけしております」
は該当しないかもしれませんね。
私も全国からの電話をフリーダイヤルで受けていましたので、
暇つぶしの電話や性的な電話など、
嫌になるような電話は山のように受けました。
でも、ただ、「ああ嫌だ」と思って応対していると、
それは必ず相手にも伝わります。
自分がどこかに電話をかけている立場なら、
あ、この人、面倒だと思いながら対応しているな、
とわかると、ますますイラッとくるのではないでしょうか。
特に、クレームのつもりがない時、無駄話のつもりがない時に、
相手がそのような態度を取っていれば、イラッとして、
結果として、悪循環を招いてしまいます。
電話を取る前には、意識的に一度笑顔になる、
深呼吸をする、といったことも、意外と効果があります。
世の中、ビックリする位、非常識な方や
理不尽なことをいう方がいます。
全国区になると、更にビックリするような人がいます。
世界では、もっともっとビックリするような人がいます。
私は、
今日はこんなビックリな人がいたわ~。あ~勉強になった。
あるいは時には(こんなこと言ってよいのかわかりませんが)
おもしろかった~、と思うようにして、
それでも腹が立ったら、電話を切った後に
(完全に切る前にやっちゃ駄目ですが)
机をバーンッと叩いて怒ってでも、
その日のうちにスッキリするようにしていました。
一方で、相手の方に、不便だと感じている点等をきいて
どうしたら良いか具体的に改善案をきいてみたりすると、
たまに、とても納得させられる内容もあって、
会社にフィードバックして、改善に役立つこともありました。
最初から嫌々きいていては、踏みこんだ話が出来ないこともあると思います。
現在、公務員たたきが起こっているからといって、
私は公務員全体が悪いとは思っていませんし、
ご自身がしっかり仕事をされているとお思いでしたら、
毅然とした態度を保つのが一番だと思います。
公務員は、世間からたたきやすいから叩かれているだけ、
という一面があるのもまた事実ですから。
もちろん、これは叩かれてもしょうがないよなぁ…
と思う人は一般企業を含め、どこの職場にもいるものなので、
そういう人が周辺にもいらっしゃるかもしれませんが、
ご自身が毅然とされていれば、良いと思います。
無駄話は、相槌をうちすぎず、気を抜きすぎず
(最初はこの加減が難しいのですが)適当に応対していれば、
相手の方もつまらなくなって、早く終わるようになります。
それが必要以上に長くなりすぎなくなってきて、
お?私の電話応対能力もあがってきたな?!
と思えれば、しめたものです。
お年寄りの多少の無駄話は、一人で寂しい方も多いので、
時にはゆっくり聞いてあげることで、とても安心して、
結果的にその方の企業(自治体)への満足度もあがりますし、
自分の気分転換にも、社会勉強にもなりますから、
時には、よし、今日は30分だけつきあうぞ、
と思ってきいてあげるのが良いと思います。
お年寄りの無駄話…と思っていても、
今後の電話応対の参考になることがありますので、
適度な長さの無駄話は、
自分の成長の為にも必要なことがあります。
ご自身の本来業務に支障が出るほどのリピーターがいる場合は、
他に無料で相談等できる公共機関を調べておいて、
そちらを紹介するのも手ですね。
公共機関でないと、なかなか紹介は難しいと思いますが…。
我慢しすぎず、頑張ってくださいね。