出来によります。
確かに、推理小説はトリックや犯人が分かっていると、もう面白くないという意見もあります。しかし、1度目はたとえトリックや犯人が分からない状態で推理しながら、スリルを感じながら読むとしても、出来のよい作品ならば、二度目は、伏線の張り方や、実は犯人だった人物のその時々の心中を考えながら読むこともできます。
また、小説として優れている作品であれば、もちろん、登場人物の感情や物語自体を何度でも味わい、感動しながら読むことができるのは、推理小説であるなしにかかわらず当然のことですね。
私の場合、貫井徳郎さんの「殺人症候群」はこれまでに年に一度程度読み返していますが、読み返すたびに新しい発見があったり感動したりして、なんてすばらしい推理小説なんだろうと感嘆しています。
二度、三度読めるかどうかは、結局は推理小説やサスペンスであるかないかではなく、小説としての出来がいいか悪いかではないかと(笑)。